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東京ガスと九州電力が提携を開始

九州電力株式会社と東京ガス株式会社がLNG調達において戦略的な連携を始めました.

具体的な検討内容は

1.LNGの調達や輸送面での協力関係を構築し、両社が保有するリソースの弾力運用を行うことにより、より柔軟で機動的な調達やコスト低減を実現する

2.緊急時を含む融通協力の関係深化により、更に供給安定性の向上を図る
東京ガス : プレスリリース / 九州電力と東京ガスによるLNG調達における戦略的連携について

とされています.

しかし,その実のところは
JERA(東京電力中部電力が共同で設立した火力発電事業を行う株式会社)に対抗するための苦肉の策だと言えます.

JERAの年間輸入LNG量は3500万トンであるのに対して,
東京ガスの年間輸入LNG量は1400万トン
圧倒的な差があります.


このままガス自由化が始まった場合,
圧倒的な規模でLNGを輸入し低価格を実現するJERAによって
東京ガスは多くのシェアを奪われかねません.

そのため,九州電力と協力することで大量輸入による薄利多売で何とか対抗していこうとしているのです.
今後のガス業界は

のような構図に収束していくと思います.

自由化を促したはずなのに,
新規事業者がほとんど価格競争に勝てず
2大グループに収束してしまうのは残念ですね・・

それでも東京ガスだけの場合よりは自由化による競争で価格は低下するはずなので,
消費者にとって良いことであるのは変わりありません.

そもそもガス事業も電力と同様に安定性がとても重要であり,
また電力に比べ発火危険性を十分に考慮する必要があるので,
そのノウハウを持たない新規事業者がいきなり入っていけるような業界ではありません.
また,消費者もわざわざ危険を冒して新規事業者を選ぶようなことはまずないでしょう.

果たしてガス業界を取り巻く状態はいったいどのように変遷していくのか.
目が離せませんね.
東京ガスについてはこちらに詳しく記述してありますので,
興味があればぜひご覧ください.

k-true.hatenablog.com

東京電力の今後ー就職先としてあり?なし?【就活・企業分析】

東京電力

日本では最大,世界でもトップクラスの規模を誇る電力会社です.
しかし,一方で福島での原発事故により多額の負債を抱え先行きが不透明な企業でもあります.

インフラ企業を志している方たちの中には,
東電に志望するか否かで悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

それを実際に議論していってみましょう.

東京電力ホールディングスとは?

首都圏1都7県および静岡県富士川以東を供給区域・事業地域とする「一般電気事業者」

売上高:6兆8024億円
経常損益:2080億円
従業員数:33,853人
販売電力量:2570億kWh

言うまでもなく日本最大の電力会社です.
なんとその販売電力量はフランス国全体を賄えるほどです.
また,その事業規模も電力会社に限らず日系企業の中でもトップクラスです.

電力小売自由化に対応するため,ホールディングス制に移行し,100%子会社として
燃料・火力発電事業を担当する「東京電力ヒュエル&パワー」
一般送配電事業を担当する「東京電力パワーグリッド」
小売り電気事業を担当する「東京電力エナジーパートナー
の3つを所有しています.

また,福島第一原発事故の影響により実質国有化されている企業でもあります.
現在,原子力賠償機構が50%の株保有しています.
なお,2030年代には全株式が売却される見通しで,ずっと国有企業というわけではありません.

賠償問題ってどうなってるの?

みなさん気になっているのが,今東電の財務状況がどのようになっているかということだと思います.
まず福島第一原発の影響で,東電に支援された公的資金はいくらなのでしょうか?

経産省が発表しているこちらの画像が一番わかりやすいと思います.
f:id:k-true:20170411002702p:plain
http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/kihonseisaku/denryoku_system_kaikaku/zaimu/pdf/03_04_00.pdf

東電に援助された資金はおよそ10兆円
また,表を見る限り東電4~5兆円の借金があることになりますね.

これを後々国に返還していかなければなりません.


では一方で,東電の経常利益はどうなっているのでしょうか?
昨年あたりに話題に上ったのでご存知の方も多いかもしれませんが,
めちゃめちゃ健全な経営状態をしています.

f:id:k-true:20170412001200p:plain
経常利益|数表でみる東京電力|東京電力ホールディングス株式会社

2011~2013年あたりは原発事故の影響で赤字となっていますが,
2014年で持ち直し,2015年ではもう原発事故前ほどの健全な経営に戻っています.

どうして原発事故を起こした企業が利益を得ているんだ?
と大バッシングがおこりましたね.
どうしてこんなことが起こったのでしょう?



もちろんこれにはカラクリがあります.
今現在,東電原発事故の賠償として多額の賠償金を支払っている段階です.
しかし,この支払額はとても今の経常利益で賄えるような額ではなく,
国が被災者第一のため,および東京の電力供給を安定化させるために東京電力に多額の援助金を出しています.

およそその年の賠償金を賄うことができる額が援助金として出されており,
賠償金を特別損失,援助金を特別利益として計上しています.
そのため,現在の経常利益はもともと原発事故が起こらなかった状態の東電から原発分の利益を引いたものと同じです.

さらに,経営合理化や人件費削減の取り組みのおかげで,原発分の利益をカバーでき,
原発がなくてもほぼ元の経営状態に戻っているというわけですね.


しかし,忘れてはいけませんが,先ほど述べたように
この援助金は総額10兆円に上り,4~5兆円は後々返還しなければなりません.
そのため,もう少し経営が安定し始めたら援助金の返還が始まり,経常利益が出にくい体質になると思われます.

東電の今後

もうすでに経営はほぼ安定していると言ってよく,今後も安泰であることは間違いありません.

電力自由化によって現在東京電力はそのシェアを落としていますが,
これは自由化した以上仕方のないことです.
しかし人々は電力供給の安定性を求めますから,新規電力に移る方は一定数に抑えられ,
70%以上のシェアは維持していくのではないでしょうか?

とくに猛暑の日などが続き,東電以外の新規電力で停電が起こったとなれば
東電に回帰する流れが確実にできます


また,電力が自由化するだけでなく,ガスも同様に自由化します.
実は東電LNGガスの最大の輸入企業です.
電気事業者によって輸入されているLNGガス59,102千トンのうち,
24,754千トンすなわち約40%を輸入しています.

これは東京ガスが輸入している約12000千トンを遥かにしのぎます.

したがって,東電はガス販売の分野で間違いなく新規事業者の中でシェア1位になるでしょう.
また,LNGガスを大量に仕入れていることから東京ガスよりも安い値段で販売できる可能性が高く,
10年後にはシェア30%は軽く超えてくることが予想されます

よって,
電力自由化による利益減少分<ガス自由化による利益増分
となると推測されるので,正直電力自由化の影響は東電にとって微々たるものです.


また,給与体系も徐々に元に戻していく方針らしいので,
10年後には全く原発事故がなかったころと同水準の給与レベルに戻るのではないでしょうか?
最強すぎますね.東電

なお,2030年代までは国有企業として存在するので,
公務員より少し給料の高い公務員
みたいな感じで働けるでしょう.

まとめー結局あり?なし?

圧倒的にありです.
正直,東電は今が底で,これからは何もかも改善されていくだけです.
しかもすでに経常利益が出せるほど経営自体は安定しています.

世間体が気になる方にはおすすめできませんが,
そうでないなら入らない手はありません.

とりあえずエントリーシートだけ出しておくのもありでしょう.
優秀な層は現状の給与体系に満足できないためほとんどエントリーすらしないと思いますので,
まだまだ穴場であることに変わりありません.

IoT電源に求められる技術

今の世の中

IoT!!IoT!!

ってめっちゃ活気づいていますよね.

でもIoTを実現するためには大量のセンサが必要なわけで

その大量のセンサの電源をどうするのか

て話が結構置いてけぼりになっています.

ここに関して議論していきましょう

IoT電源に求められる要件

  • 独立電源であること

大きなセンサの場合は直接ケーブルを引いても良いかもしれませんが,
基本的には独立電源が求められています.

なぜかというと,IoTでは大量の数百とか数千のレベルでセンサが必要になってくるからですね.
最近では,「Trillion Sensors Universe」すなわち「1兆センサ時代」という概念も提唱されています.
これからの世の中1兆個のセンサに支えられるというわけです.

それらすべてをケーブルで繋いで電力を送るとなると大量の配線を設置する必要があります.
どう考えても邪魔なんです.この配線たち.
また,数が多くなればなるほど配線におけるエラーの確率が高まります.

よって,省スペース化および故障確率低減のため独立電源が必要となってきます.

  • 寿命が長いこと

上記に関連していますが,大量のセンサがあるということはそれだけ故障確率が高くなってきます.
よって,一つ一つのセンサが故障を起こす確率を極力さげる必要があります.

また,そもそもセンサの場所自体が容易に交換できる場所にあるとは限りません
例えば,プラントの配管での使用が見込まれる場合,
高所や配管の内部など交換をおいそれとできない場所に設置される可能性があります.

そのため,できる限り故障が起こりにくい機構を用いて電源を構成する必要があります.

  • 電力供給の安定性が高いこと

これは電源としては言うまでもありませんが,安定性はめっちゃ重要です.
電力供給量に乱れがあり,安定した動作ができないセンサなど必要ありませんからね

だから,
電力供給量が多いけど,安定性にかける
電力供給量が少ないけど,安定性は高い

のような選択肢の場合,圧倒的に後者が有利です.
昇圧機や蓄電器を使って一時的にためておき,必要量溜まったら電力を解放すればよいのですから.

連続的な動作よりも安定的な動作のほうが重要です.

  • 低コスト

当たり前ですが,大量のセンサを用いるのに一つ一つの電源が高いと話になりません.
誰も使ってくれません.
これが満たされない限りIoTの実現なんて夢のまた夢です.

これは必ずしも必要というわけではありませんが,
生産される量を考えれば有害な物質や希少元素を豊富に使うことはおすすめできません.


実際どのような電源が考えられるのか?

  • ワイヤレス給電

電波を用いて,センサー本体には受信機のみを設置しワイヤレス給電を行うという方式です.
以下の記事にあるように,ついに実用レベルまで開発が進んでいるようです.
IoT時代の電源技術 - [第2回]どこに置いても充電可能、「Cota」に見るIoT向けワイヤレス充電技術:ITpro

この方式の問題は,
遠距離に飛ばすのが難しいため中継基地を複数用意しなければならないこと
電波同士の干渉が生じてしまうこと
が挙げられます.
今後これらの課題を解決していくよう開発が進んでいく見込みです.

  • 熱電変換モジュール

とくに自動車やプラントの配管などの廃熱がある部分での使用が想定されています.
この熱電変換モジュールは温度差を起電力に変えるゼーベック効果を利用した素子であるため
熱さえあれば安定的な動作が見込めます.

ただし,現状発電量が微小なため,連続的な観測はできません.
まだまだ研究開発が必要な電源です.

現状,ここまでは実現できているようですね.
省エネやIoT電源として注目されるフレキシブル熱電発電モジュールの可能性 | BUSINESS ECOSYSTEM【日本ユニシス】

太陽光があたるところであれば,すでに確立された技術である太陽光発電を用いれば簡単に発電することができます.
問題はやはり安定性にありますが,蓄電技術と合わせればある程度安定した動作を保証できるのではないでしょうか.

  • 振動発電

微小振動が発生している箇所では,MEMSを用いて微小振動を電力に変換することが可能です.
http://www.ntt.co.jp/journal/1212/files/jn201212032.pdf

ただ,こちらも発電量が少なすぎるためまだまだ研究開発段階です.


まとめ

様々な電源が考えられますが,そのほとんどがまだ研究開発段階といった現状です.

IoTが本格普及していくのは,これらの電源が商用レベルで実現し始める必要があるので,

まだ10~15年はかかるのではないでしょうか?

それでももう目前まで迫っていることは間違いありません.
楽しみに新世界を待ちましょう.

もしあなたが高校生や大学生であった場合,
これらの電源技術において革新的な研究開発を行い,特許をとれば大金持ち間違いなしです!

こういった微小スケールの開発に興味がある方は一考してみる価値がありそうですね